主な疾患と症状

ボトックス膀胱壁内注入療法

ボトックス膀胱壁内注入療法とは

頻尿、尿漏れイメージ
  • 1.病状について

    過活動膀胱による、頻尿、尿漏れに対し薬物治療を行っても効果が無い方に適応があります。

  • 2.ボトックス膀胱壁内注入療法について

    膀胱の過剰な働きを抑えるために、膀胱壁に薬液を注入する治療法です。
    保険診療として認められており、国内外の治療ガイドラインで、既存治療では抵抗性の過活動膀胱および神経因性膀胱の治療の選択肢になっております。
    外来で行うことができる治療であり、局所麻酔を使用して、手技自体は短時間で終了します。簡便な手技で、比較的侵襲性も低く、大規模な臨床試験で安全性も確認されている治療法です。

  • 3.有効性について

    約20~40%の患者で尿失禁が消失し、約60~70%の患者さんでは尿失禁回数が半減すると言われております。有効率は約60~90%です。
    尿漏れパッドやおむつの平均使用数は半減し、内服薬が中止できる可能性があります。
    通常、効果は2~3日であらわれ、1回の治療で6~10ヶ月程度持続します。

  • 4.安全性について

    主な副作用は、排尿困難、尿路感染、残尿量の増加です。
    残尿が増加し、排尿困難感などの不快な症状がある場合は自己導尿を検討する必要があります。報告では自己導尿を行う頻度は1-2%程度です。

  • 5.治療費について

    外来診療で3割負担の場合、手技料と薬剤費にかかる自己負担額は過活動膀胱でおよそ5万円、神経因性膀胱では7万円です。
    薬剤費、尿漏れパッドなどの費用が軽減できる可能性があります。

  • 6.他の治療法について

    ボトックス膀胱壁内注入療法と同じ適応となる治療として仙骨神経刺激療法があります。仙骨神経を刺激する電極を体内に埋め込む処置が必要となります。効果はボトックス膀胱壁内注入療法と同程度ですが、侵襲性の高い治療です。

ボトックス膀胱壁内注入療法